カヌレ食っていいか?

若手おいさんの日記のパラドックスです。

230713_青森旅行②

1日目

7.カーシェア(青森駅前→ほたて広場)

 青森駅に到着した我々は早速行動を開始した。駅のすぐ近くにある駐車場でタイムズのカーシェアで予約した車をピックアップする。

▲MAZDA3を翌日夜までの相棒とした。ほたて広場の駐車場にて。

 青森といえばホタテだろうという単純な思考回路しか持ち合わせておらぬ愚かな我々夫婦は、初日の昼食に早速ホタテ要素を取り入れることにした。

 事前の調べによると、平内(ひらない)町にあるほたて広場に併設された食堂が王道で良さそうだ、となった。初心者はまず物差しを得るところから始めなければならない。そういう意味でまず王道を攻めるのは理にかなっているのだ。

 
8.ほたて広場

 青森市内から40分ほどで到着した。

 道中には激しい土砂降りにも見舞われたが、その雨も到着する頃には止んでくれた。名残として黒い雲が迫力をもって垂れ込めているが、これもまた本州最果ての寂寥感を掻き立てるではないか。そして、建物の脇にはクール宅急便のトラックが停まっている。きっと、新鮮な殻付きホタテが詰め込まれているに違いない。いずれにせよ期待が高まる。

 とりあえず建物の裏に周って来た。全体像を把握することが肝要である。

 芝生が敷かれていて遊具もあり、どうやら公園として整備されているらしかった。右側に見えるモダンで黒くて長い建物が食堂になっている。

▲ホタテが程よく主張する望み通りの丼。

 食堂の名前はズバリ「ホタテ一番」。自信の高さを窺わせるネーミングで大変よろしい。

 建物が新しいせいもあってか、中は明るく清々しい。いくつかあるメニューの中から夫婦揃って注文したのは炙りホタテの津軽漬け丼(1,500円)。質が高く大変満足のいくのもので美味だった。欲を言えばもう少し量があれば理想だったが、青森のホタテ初心者が陸奥湾の実力をまず思い知るには適当な選択肢と言えよう。

 

9.萱野高原


 ホタテ様への挨拶を済ませたところで、青森を本格的に堪能していくことにする。十和田湖方面を目指して車を走らせる。

 国道103号線をずーっと行くと、途中で何やら開けた場所に出た。萱野高原というらしい。いい感じの売店があったので休憩していくことにする。名物という生姜味噌おでんをつついた後、ソフトクリームで〆る。これぞ旅行という感じがして大変満足した。

 

10.十和田湖

 やはり湖国の民としては、他県にある大きな湖への造詣を深めねばなるまい。ちなみに、霞ヶ浦八郎潟にはまだ行ったことがなく、大変な失礼をはたらいている最中である。

 

 

 十和田湖の南に至った。ティータイムがそろそろ終わらんという頃合い。青森旅行と冠してお送りしているもの、少しだけ県境を超えて秋田県に飛び出している。

 妻のリサーチによれば、この辺りに、湖を間近に望むテラス席でアップルパイを楽しめるカフェがあるらしい。果たしてそれを見つけることができた。

 私の一人旅だと、こういうオシャレな発想をすることは、まず、無い。彼女と出会うことが無ければ、こういう喜びを一生知らぬまま土に還っていたに違いない。

 人生を豊かにするのは人との出逢いなのだと思う。

 アップルパイは大きなリンゴがずっしり入ったもので、このロケーションにとてもよく合う自然な味わいだった。よく知るアップルパイにはカスタードクリームが入っているが、こちらのアップルパイは着飾らないらしい。温かいコーヒーにとてもよく合った。

 さて、これでホタテとリンゴに挨拶を済ませた。この日の宿を目指して移動する。

 

11.奥入瀬渓流~阿修羅の流れ~

 宿への道中、国道102号線に入る。この道は奥入瀬渓流と並行しているので、運転しながらにして素晴らしい景色を堪能することができる。奥入瀬渓流にはいくつもの見どころがあるが、阿修羅の流れはその筆頭と言って良い。ちょうど近くに車を止められるスペースがあったので、少しだけ散歩をした。

 光射し込む緑の中、十和田湖から流れてくる清流が実に気持ち良く素晴らしい。

 
12.星野リゾート奥入瀬渓流ホテル

 

 ハイクラス宿になど縁の無い人生を送るものとばかり思っていたが、幸いにして星野リゾートに泊まることのできる機会を得た。

 エントランスを入ってすぐ目に飛び込んでくるのが、かの岡本太郎氏の作品が目を引く巨大な暖炉。関西に帰って来た感覚に陥ったのはきっと気のせいだと思う。

 ここはラウンジになっていて、宿泊者なら誰でも自由に寛ぐことができる。窓の外には山間の初夏が広がっていて見事だ。アルコールを含むウェルカムドリンクも振る舞われていて、青森らしくアップルワインを嗜んでみた。もちろん、別の選択肢としてラインナップされていた陸奥八仙への挨拶を終えた後で、である。抜かりはない。

―つづく